PuppyWalker
FAX:092-324-3386
福岡県糸島市東702番地1
視覚障がい者にとって誰にも気兼ねせず外出できることは自立への第一歩であり、大きな喜びです。その外出を支える大切なパートナーとして現在全国で約千頭の盲導犬が活躍しています。九州盲導犬協会では盲導犬の育成、並びに視覚障がい者への盲導犬貸与を行っています。ここでは盲導犬についてよくある質問や不安について項目ごとにお答えしています。
→ 1.盲導犬と歩くには |
→ 2.共同訓練について |
→ 3.盲導犬と暮らす |
→ 4.盲導犬の受け入れについて |
→ 5.盲導犬を持つためには |
→ 6.使用者の声 |
盲導犬にハーネスという胴輪をつけ、左手でハーネスのハンドルを持ち歩きます。盲導犬はハーネスを通じて使用者に段差や曲がり角を教え、障害物を避けるなどして安全に歩行できるようにサポートします。盲導犬が目的にまで連れて行ってくれるのではなく、使用者が頭の中で地図を描きながら、盲導犬の教えてくれる情報と周囲の音やかぜ、においなどを手掛かりに歩行します。
最初から上手く歩けるわけではありません。盲導犬と歩くためには共同訓練という4週間の訓練を受けなければなりませんが、その訓練を終了しても犬と上手く歩調を合わせて歩けるようになるまでには1~2年はかかるといわれています。時間をかけ、経験を積んで使用者自身がそれぞれの犬とのパートナーシップを作りあげていくのです。共同訓練終了後も指導員が定期的に歩行状態を確認しサポートしますのでご安心ください。
使えます。盲導犬がいても初めての場所や慣れていないところでは迷ったり、失敗したりすることもあります。大事なことは外出時の不便さを改善することであり、単独歩行にこだわらず、状況に応じていろんな歩行手段を使い分ければよいのです。
行き先や目的、また天候などにより盲導犬を同行できないときもあります。そんなときは留守番させることもあります。
盲導犬を持つにあたって事前に訓練し、知っておかなければならないことを訓練センターで合宿しながら学びます。訓練の内容はハーネス操作や盲導犬への指示の出し方など盲導犬との歩行の仕方、犬の世話や管理の仕方、盲導犬を使用する上でのマナーや知識についての講義など。期間は最短4週間(代替犬は2週間)で、その間に使用者の居住地で何日か訓練を行う現地訓練が含まれます。
餌はドッグフードと決められており、人間の食べるものは与えません。朝晩2回です。使用者との外出が散歩になりますが、外出がない場合は散歩など適度な運動が必要です。その他毎日のブラッシングや排泄、獣医師の定期的な受診など、衛生・健康管理は欠かせません。
ドッグフード代に月6~8千円かかります。また必要な予防接種やノミ・ダニ駆虫薬など年間2万円程度かかりますが、自治体によってはこれらの医療費の助成を行っているところもあります。その他、犬用コートなど犬具等も必要になってきます。
訓練センターで預かることもできますので、遠慮なくご相談ください。
マンションに限らず、集合住宅や賃貸住宅の場合は大家さんや管理組合の許可が必要です。庭はなくても支障はありません。排泄は衛生面でのマナーを守ればベランダやお風呂場でさせることも可能ですし、実際マンション等の集合住宅で盲導犬を飼っている方もおられます。
盲導犬は年をとって使用者を安全に誘導できなくなる前に引退させます(10歳前後)。引退後の盲導犬はリタイア犬ボランティアさんのお宅でゆっくりと余生を過ごすことになります。盲導犬の継続使用を希望される方には、なるべく間を空けずに次の盲導犬を貸与できるようにします。
法的にも公共の交通機関を利用することができますし、また盲導犬自体もそういう訓練を受けていますので特に問題はありません。
雇用主と相談のうえで仕事中の待機場所を確保してもらいます。必要であれば協会職員が同行して盲導犬についての説明をいたします。実際盲導犬と一緒に通勤している使用者は数多くおられますが、連れて行くことで仕事に支障があるということはなく、使用者も盲導犬の排泄等の世話は休憩時間等を利用しているようです。
「身体障害者補助犬法」とは、「身体障がい者補助犬の育成と、これを使用する身体障がい者の施設などの利用の円滑化を図り、身体障害者の自立と社会参加の促進につなげるために定めた法律」のこと。平成14年に施行され、都度、改正をしながら現在に至っています。ちなみに補助犬とは「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」をいいます。
具体的には 不特定多数の人が利用する施設等の管理者は、補助犬の受け入れを拒んではならないというもので、これにより公共の交通機関や役所、銀行やお店、ホテルなどに使用者が連れて入る権利法律で明確にされ、一般社会にもその理解や協力を求める内容となっています。また、使用者にも補助犬のしつけや訓練、衛生面の管理などを義務付けています。
18歳以上であること
家族が盲導犬を飼うことを了承していること
室内での飼育など、盲導犬を飼育できる環境にあること
4週間以上の共同訓練を受けられる
などです。
直接協会にお電話いただくか、居住する市区町村の障がい福祉課、もしくは福祉事務所を通して当協会にご連絡ください。担当の訓練士から説明させていただいたうえで申込用紙をお送りいたします。申込書をいただいた後面接を行い、盲導犬の貸与がご本人にとって望ましいという決定がなされた場合、共同訓練を経て盲導犬の貸与となります。
面接、審査に1か月から2か月を要します。できるだけ速やかに貸与できるように努力いたしますが、申込者に適した盲導犬が育成できるまでしばらく待機していただく場合があります。ご了承ください。
当協会では盲導犬を無料でお貸ししています。ただし、共同訓練の食費代・犬具代(シャンプーや犬用コート)などはご負担いただいています。ハーネス、リード、ブラッシング道具は初回のみ無料で支給しています。
「以前、犬を飼っていたんですが、やはり盲導犬となると違うんですね。指示の出し方や歩き方など、正直訓練士さんの指導はとても厳しかったです。でも、その厳しさを差し引いても「自分で歩けるんだ」という充実感と、白杖にくらべてスムーズに歩けることなど、盲導犬と一緒に歩く快適さはすばらしいです。」
「視覚障がい者の事故で最も多いとされる電車のホームからの転落。私も危うく転落するところを盲導犬が踏みとどまってくれ転落を免れました。盲導犬はいつも一緒にいてくれる大事なパートナーです。私の命を救ってくれただけでなく、今ではなくてはならない心の支えです。」
「夫婦で盲導犬を使っています。私たち視覚障がい者にとって誰にも気兼ねせず、時間にも縛られず自由に出かけられることがどんなにすばらしいか、盲導犬を持って初めて実感しました。性格まで明るく、積極的になったと周囲からも言われたくらいです。そして外出先でたくさんの人との出会いを作ってくれたのも盲導犬です。子どもたちの学校行事にも参加してお母さん同士の交流ができたのも盲導犬がいてくれたから。今でもその交流は続いています。私たちにとって盲導犬は外に一歩踏み出す勇気を与えてくれ、多くの人との出会いを作ってくれる大事な存在です。」
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